中古マンションを購入する場合、リノベーションが必要かどうかでマンション購入にかかる費用総額は大きく変わってきます。
中古マンションのリノベーションを検討している方の中には、以下のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
- 中古マンションのリノベーションにはどの程度費用がかかるの?
- リノベーション工事にはどのような項目がある?
- リノベーション費用を抑えるポイントとは?
近年、首都圏を中心に地価やマンションの価格が高騰し続けている影響で、新築に比べて手の届きやすい中古マンションを購入し、リノベーションすることが新たなマイホームの選択肢として広まっています。
一方でリノベーションにどのくらいの費用がかかるのか、費用感が掴みにくいのがリノベーションの難しいポイントです。
こちらの記事では、中古マンションのリノベーション費用に特化して説明していきます。
我が家のリノベーション費用についても公開していますので、ぜひご覧ください!
<この記事を読んで得られること>
- 我が家のリノベーション費用
- リノベーション費用の相場
- リノベーション費用コストダウンのポイント
私がリノベーションした中古マンションの物件データ
まず初めに私がリノベーションした中古マンションの物件情報についてご紹介していきます。
マンションのリノベーション費用の概算を考える場合、大切になってくるのが専有面積です。
専有面積は工事費用を算出する際に大きく影響するため、自分がどの程度の規模の物件を購入する予定か当たりをつけておくと、本記事がより参考になると思います。
エリア
私たちが購入したマンションは、東京23区内にあります。
最寄り駅から徒歩で約10分程度。その他に3つの駅へ徒歩でアクセスできます。
交通の利便性も良く、昔からの街並みが残っている点もお気に入りです。
築年数
購入時の築年数は20年程度でした。
入居のタイミングが、1回目の大規模修繕に入るタイミングだったことを覚えています!
専有面積
占有面積は約85㎡(25坪)で、二人暮らしとしてはゆとりのある広さの物件です。
洗濯物干し用のバルコニーの他に、机とベンチをおける小ぶりなバルコニーもあり、家庭菜園をしたり、屋外で食事をしたり楽しんでいます。
間取り
元々3LDKの物件でしたが、前オーナーが2LDKに変更しており、今回のリノベーションでの間取り変更は行いませんでした。
私が経験した中古マンションのリノベーション費用
こちらでは、我が家のリノベーション費用について公開したいと思います!
私が行ったリノベーションの範囲や内容などについても説明していますので、参考にしてくださいね。
リノベーション範囲・対象
前提として、私が行ったリノベーションは「フルリノベーション」ではなく、「部分リノベーション」です。
フルリノベーションと部分リノベーションの違いは以下の通りです。
<フルリノベーションと部分リノベーションの違い>
- フルリノベーション
住宅内部をすべて解体して、一から内装工事を行うこと - 部分リノベーション
一部の部屋や間取りを活かして部分的に工事を行うこと
私は既存の内装の一部を活かした「部分リノベーション」を選択しました。
<部分リノベーションの範囲・対象>
- リビングダイニング
- キッチン
- 風呂
- 洗面
- トイレ
- 収納内部
- すべての部屋の壁紙
- 電気設備一式
<既存を活かした項目>
- LDK以外の2部屋の扉、床
- 玄関タイル
リノベーションといえば「フルリノベーション」を想像しがちですが、物件の築年数や予算設定によっては既存を活かす「部分リノベーション」もおすすめですよ!
リノベーションのビフォーアフターは以下の記事でご紹介しています。
リノベーション費用の設定金額
設計を始める際、目標金額を1,000万円として設定しました。
最終的には工事中の追加費用なども発生したため、約1,100万円程度でリノベーションを完了することができました。
リノベーションの目標金額を設定する際には、リノベーション会社や工事担当者にリノベーションで実現したいことやこだわりポイントを相談した上で決定しました。
最終的には目標金額+100万円くらいでリノベーションを終えることができたので、上出来だったと思います!
リノベーション費用の内訳
我が家のリノベーション費用の内訳を発表したいと思います。
約1,100万円のリノベーション費用の内、一番大きい割合を占めているのが、「建築工事+設備工事」にかかる費用です。(当たり前ですね!)
リノベーションの際にかかる費用として、「設計料」や「現場管理費」といった費用がかかることも重要なポイントです。
こちらの費用はリノベーション会社や工務店によって費用設定が異なりますので、あくまで私の場合の一例として、参考程度に留めてください!
上記の中で最も割合の大きい建築工事費用をもう少し深掘りしてみましょう。
建築工事費のなかで最も大きな割合を占めているのが、住宅設備費用です。
住宅設備費用とは、キッチンやお風呂、洗面、トイレなど、住宅設備にかかる費用のことを指します。
家の暮らしやすさや、日々の快適な生活に直結する住宅設備に関する工事費用は建築工事費用の中でも大きくなりがちです。
その他、費用が大きい順番に以下の工事費用がかかります。
- 木工事 :フローリングや間仕切り壁の工事など
- 解体工事:既存の内装の解体や処分費用など
- 仮設工事:マンション内の養生や現地調査費用など
- 内装工事:壁紙の張り替えや、タイル、左官施工など
- 家具工事:収納内部や棚板など
- 建具工事:建具や建具枠など
- その他工事
注目してほしいのは、解体工場や仮設工事といった費用がかかる点です。
リノベーションに際しては既存の内装を撤去したり、マンション共用部を汚さないために養生したりする費用もかかる点を覚えておいてください。
【所感】理想のリノベーションを叶えられた?
冒頭にお話しした通り、私は「部分リノベーション」を選択しました。
やりたいことと費用のバランスを取るのが難しかったですが、住み始めた今とても満足しています!
自分がリノベーションの設計を開始する際に、「リノベーションで何を実現したいか」を明確に設定していたのが良かったと思っています。
自分の中でリノベーションの優先順位が決まっていると、判断の際に迷いにくいのでおすすめです!
私のこだわり!中古マンションのリノベーションで費用をかけたポイント
リノベーションの設計を開始する際に、「リノベーションで何を実現したいか」を明確に設定したことは上述しましたが、こちらでは、私が実際にどの項目にこだわり、費用をかけたかお伝えします。
私がリノベーションでこだわったのは、以下の3つです。
<私のリノベーションこだわりポイント>
- キッチン
- 床材
- ウッドパネル
キッチン
LDKが一体となっている間取りの場合、キッチンのデザインはリビングの印象に大きな影響を与えますよね。
私は対面式でフルオープンのキッチンを希望していたので、キッチンの天板やコンロ、水栓のデザインにはこだわりがかなり強かったと思います。
逆にこだわりが強すぎたので、各メーカーショールームではデザインには悩まず即決していました。
床材
床材も部屋の印象を大きく変える要素の一つです。
色、素材、フローリングの幅などこだわりを持って選びました。
特にフローリングの色味は手持ち家具との相性がどうかも重要になるので、かなり吟味しました。
ウッドパネル
我が家ではアクセントウォールとして、ウッドパネルを採用しました。
TV裏の単調になりがちな壁面がウッドパネルで引き締まったので、とても気に入っています。
こちらもフローリングと同様に、ウッドパネルのサイズや色味などの選択が難しかったです。
最終的には無垢材に現場塗装する形で、こだわって設計することができました。
中古マンションのリノベーション費用を抑えるポイント
リノベーションにかかわらず、住宅設計にコストダウンの検討は必要不可欠です。
私の経験上、新築戸建て住宅の設計で関わったすべてのお客様が減額検討をしています。
こちらでは自身のリノベーション経験を踏まえて、リノベーション費用を抑えるポイントをお伝えします。
<リノベーション費用を抑えるポイント>
- 優先順位を決める
- 既存の間取り・設備を活用する
- 建材を自分達で用意する
以下で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
優先順位を決める
マンションのリノベーションでは、リノベーションで実現したいことに優先順位をつけることが重要になります。
自身で決めた優先順位に従い設備や建材のグレードを上下させることが、コストダウンのポイントです。
例えばキッチンを選ぶ場合、デザインと機能性どちらを優先させるかによっても選び方は大きく異なります。
機能性を優先させる場合、コンロやレンジフードなどのグレードを高くする一方、面材などのデザイン部分はグレードを落とすことで、1つのアイテムの中でも費用のバランスを取ることは可能です。
またキッチンに費用をかけた分、お風呂やトイレのグレードを落とすなど、全体で費用バランスを取る手法も有用です。
私の場合、トイレやユニットバスは必要最低限のグレードにとどめてコストダウンしています。
既存の間取り・設備を活用する
既存の間取りや設備を活用するのも大きなポイントです。
例えば、比較的新しい設備が設置されていたり、内装に傷みがなくきれいな状態だったりする場合はそれらを活かすことでコストダウンが可能になります。
私が購入したマンションは、マンション購入の1年前に前オーナーが給湯器を交換したばかりだったため、給湯器は既存設備を活用しています。
また上述したように、我が家は部分リノベーションを採用しているので、一部の壁や床は既存を利用しています。
このようにリノベーション範囲を限定することで、解体工事含めた工事費用を抑えることが可能です。ぜひ検討してみてください。
建材を自分たちで用意する(施主支給)
あくまで私がリノベーション工事を依頼した会社の場合ですが、一部の設備やアイテムは施主支給が可能でした。
実際にキッチンのコンロや、タオル掛け、照明器具は自身で用意して、工事会社に設置してもらいました。
一部アイテムを施主支給とすることで、多少のコストダウンが見込めます。
減額検討をしている方は施主支給できる要素がないか、検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、施主支給を検討する場合は注意点もあります。
<施主支給の注意点>
- 施主支給は工事スケジュールに影響するので、設計段階の早めに相談する
- 施主支給品は保障の対象外になる場合が多い
注意点を確認した上で、ぜひ検討してみてください!
施主支給したガスコンロについては以下の記事でレビューをしています。
中古マンションのリノベーションに費用の相場
ここまでは私の中古マンションのリノベーションにかかった費用やコストダウン方法についてお伝えしました。
ここからは、一般的なリノベーション費用の相場についてお伝えします。
費用把握のための参考としてください!
<フルリノベーションの費用相場(㎡あたり)>
- 一般的なリノベーション:15〜20万円
- 内装・設備のグレードにこだわったリノベーション:25万円
中古マンションのリノベーションにかかる費用は、建設エリアや、マンションの床面積、リノベーションの範囲や選ぶ建材など、条件によって変動します。
ぜひ参考にして、ご自身のリノベーションの費用の目安を算出してみてくださいね。
我が家のリノベーションは、部分リノベーションだったため上記金額を若干下回る費用でリノベーションを行うことができました!
中古マンションのリノベーションでは優先順位を決めて費用を抑える工夫を
この記事では、我が家のリノベーションで実際にかかった費用を元に、中古マンションのリノベーションにはどのような項目があり、それぞれどの程度費用がかかるのかお伝えしました。
一般的なリノベーションの相場もあわせて確認いただくことで、リノベーションにかかる費用のイメージを掴んでいただけたかと思います。
リノベーションを検討する際、お金の話は切っても切り離せません。
こちらの記事でみなさまの心配事や不安が少しでも低減されることを願っております。
ここまでお読みいただきありがとうございました!